◆メカニック紹介 主要メカ |
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1957年に超音速攻撃機&偵察機としてイギリスで開発がスタートし、1964年に初飛行した試作機TSR.2をベースに製作された。 地上基地のトレーラーに搭載され、ZELL(Zero Length Launch=零距離発進)により発進する。発進に際しては2発のジェット・エンジンと、パイロンを介して両主翼下に2機搭載したRATO(Rocket Assisted Take Off)ポッドの推力を併用してほぼ垂直に離陸する。RATOポッドの燃焼が終了すると、尾翼付け根に後付けされたロケットブースターに点火してさらに成層圏外縁部まで上昇、胴体下部に搭載された迎撃ミサイルを発射する。つまり、超高々度まで可能な限り迅速にミサイルを運ぶことを目的に開発されたミサイル・キャリアである。 成層圏で反応弾が爆発すると、強烈な電磁波が発生する。そのEMP効果は、範囲内にある半導体を使用した電子回路を全て破壊してしまう。超高々度迎撃機には、その影響を避けるために2系統の電子回路が組まれている。一方は通常のシリコンチップによるコンピューター。もう一方は、一切の半導体を使わず真空管で構成された電子回路である。この真空管回路は、万一、EMPの影響で半導体回路がダウンした時のためのバックアップであると同時に、構成的には機体を制御するメイン回路でもある。安値で量産の出来る半導体回路は主に攻撃するまでの照準や兵装の管理に使われており、ミサイルを発射した後はたとえ壊れても、基地に帰るだけなので支障はない。ミサイルには最新の回路を使って上昇し、人間が帰る時は旧式の真空管だけになるのでパイロットからの評判は良くない。 同様にコックピットは、主要な計器類はアナログメーターで構成されていて、CRTモニターによる集中火気管制装置と併用されている。もちろん操縦桿は、ただのサーボ(パワステ)である。 なお、成層圏外縁部では機体のコントロールに必要な空気密度がないため、機首や主翼端などに装備したRCS(Reaction Control System)を使用して機体姿勢を制御する。 |
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コメットブラスターが搭乗する複座宇宙迎撃機。 巨大なリフティングボディ形状のフェアリングにミサイルと共に組み込まれて、衛星軌道に浮かぶオービタル・ステーションより発進する。地球の重力を利用しながらロケットエンジンで加速し、重力と揚力を併用した高速スウィング・バイで地球を周回しながら、特殊ミサイル「トライデント」で彗星を粉砕する。 宇宙機なのに翼があるのは、重力だけでなく上層大気と翼による揚力を併用する事で、第一宇宙速度を超える高速でも飛び出す事なく地球を周回、それによりミサイルの発射から命中までの時間短縮と、危険宙域からの迅速な離脱を可能とするためである。また、上層大気を利用した操舵で高効率かつ迅速に軌道面を修正する事ができ、これらの効果でコメットブラスターの迎撃作戦はより成功率の高いものとなった。地球周回中の迎撃機は上層大気との摩擦で光を放つため、地上からその輝きを観測する事ができる。 任務終了後は大気ブレーキで軌道速度を調整し、発進した元のステーションに帰投する。 |
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メテオスイーパーが普段飛行訓練を実施する際に使用する複座練習機。 旧ソ連が1961年にその存在を公開し、1962年から生産が開始されたといわれている超音速全天候迎撃機Yak-28をベースに製作された。
この機体を使った訓練では、飛行技術だけではなく、前席と後席のクルー・コーディネーションの練成にも主眼が置かれている。 |
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まだ迎撃部隊がメテオスイーパーとコメットブラスターに分かれる前に開発されていた機体で、現在ではここ下地島基地にその巨大な残骸を残すのみとなっている。佐古が私的な理由からコツコツとレストアしているらしい。
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岩石質や金属質の隕石を相手に普通のミサイルを打ち込んでも、彗星表面で爆発するだけで効果は薄い。本当に破壊するなら、彗星に穴を開けて内部に爆弾を仕掛けなければいけない。しかし、無数に飛来する彗星や巨大隕石とランデヴーして穴を開けるのは、映画ならともかく現実には難しい。そこで開発されたのが彗星迎撃ミサイル「トライデント」である。 このミサイルは発射と共に外殻を分離、目標に近付くと3個の反応弾を放出する。反応弾は中央からワイヤーでつながれており、遠ざかりながらもちょうどベンツのマークのように三角形の頂点の位置を維持しながら飛行する。そして、目標との距離が最適になったとき、その3個の弾頭は同時に爆発する。すると、各々反応弾の爆発は互いにその爆圧を偏向収束し、3方向に面状に広がる高温高圧のカッターと、前後方向に鋭く伸びるビームを形成する。このプラズマエネルギーの錘が、どんな物体であろうと瞬時に貫き粉砕するのだ。ちょうど普通の爆薬で言うところの成形炸薬弾のノイマン効果(モンロー効果)と同じ原理である。このビームで岩石質に穿孔、カッターで切断しつつ、その膨大な熱エネルギーで彗星内部の水分を急激に蒸発させ水蒸気爆発で細かく破砕する。 コメットブラスター機及びメテオプラスター機は、このトライデントミサイルを搭載し、彗星迎撃に向かう。ギリシャ神話のポセイドンが使っていた、三つ又の矛がその名の由来となっている。 かつては、このトライデントミサイルを大型化し、彗星が地球圏に到達する前に長距離迎撃する作戦もあったが、毎度アポロロケットを打ち上げるようなものなので、無数の彗星に対応するには非常に効率が悪く、また、遠距離から時間をかけて到達するミサイルの迎撃は「なぜか」命中率が著しく低下する事もあり、近距離まで引きつけてから高速ミサイルで短時間のうちに迎撃する現代の作戦に至っている。 ミサイルの爆発エネルギーも地球側から命中するので、破壊後の破片と地球との相対速度も遅くなり、地上からの再迎撃も容易になり、落下時の運動エネルギーも少なくなり被害も少なくなる。 |
◆メカニック紹介 主要シーン |
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衛星軌道上に浮かぶコメットブラスター部隊の基地。軌道上には複数のオービタル・ステーションが設置され、地球全域をカバーしている。 常に彗星の接近を監視している天体危機管理機構本部より迎撃命令が下りると、ただちにSAC-1Bコメットブラスターを2機編成の編隊で発進させ、地球衝突コースに乗った彗星を迎撃する任に当たっている。 |